独占禁止法と競争政策

談合・カルテル

NERAは、日本、米国、欧州等で行われた談合・カルテル(市場割当等も含む)に関わる当局調査や訴訟への対応支援を行っています。NERAは、カルテル・談合事件の当局調査段階から事後的な民事訴訟の段階の間において生じるカルテル・談合の実効性、カルテル・談合への(不)参加・逸脱行為の立証、カルテル・談合行為によって影響を受けた取引額の特定、損害賠償額の算定などの問題に対して、実際の取引データや取引の実態に照らした経済分析を提供しています。

NERAの分析結果は、日本の公正取引委員会、米国司法省、欧州委員会等の調査中に当局に提出される分析レポート、法廷における鑑定意見書や証言、和解交渉時における損害額の分析レポートなどの形で紛争解決の決め手として用いられています。NERAは、農作物、天然資源、輸送費・燃料サーチャージ、材料・部品(自動車部品、記憶メモリー、液晶部品、化学製品等)、最終消費財等の様々な商品・サービスの分野におけるカルテル・談合事件の経験を有しています。

当局調査の段階において、NERAは、例えばカルテル・談合の実効性の分析を行っています。企業間の意見交換が行われたとしても合意成立には至らず、各企業はシェア拡大のための生産拡大や価格引き下げを継続して行っていたとすれば、合意に基づく「独占価格」や販売数量が実現していたとは考えづらいといえます。カルテルや談合の合意があったとしても、新規参入や購入者の価格交渉力が強い場合には、カルテルや談合の合意による価格上昇・維持は容易ではない可能性も考えられます。カルテルや談合が実際の取引条件に与える影響は、合意の有無や内容、需給関係のトレンド、生産費用のトレンド、各企業の技術力・生産能力・拠点の立地や数及び経営戦略などによっても異なります。NERAは、取引の実態について確認した上で、事案の個別事情を考慮して、実際の取引データやカルテル・談合の経済理論に照らして、カルテルや談合の実質的な影響について分析しています。

米国司法省の談合・カルテル規制においては、罰金及び刑事罰に裁量の余地があるため、当局の調査段階から、カルテル・談合による競争制限への影響について積極的に説明していくことが企業にとって合理的な対応と言えます。談合・カルテルが米国の消費者に与えた影響を評価するためには、カルテル・談合の影響(すなわち、合意による価格上昇の程度)について検討するだけでなく、カルテルや談合によって影響を受けた当事者の取引数量(金額)としてのVolume of Commerce(VOC)の特定が必要になります。VOCが大きければ、罰金額は当然膨らみます。日本の企業のカルテル・談合の場合には、カルテルが世界的に行われていたと疑われている場合には、米国での現地生産部分だけでなく、米国外の工場から米国に直接・間接に輸出された商品の両方が潜在的にカルテル・談合の影響を受けた可能性があるため、両方の取引が罰金の対象となる可能性があります。米国の場合、談合・カルテルが海外で実施されたものであったとしても、影響が米国国内に及ぶ場合には規制の対象となるからです。NERAは、米国国内の直接取引部分と、米国外から米国に様々な形で販売されている間接取引部分の両面を分析し、VOCの特定作業を支援しています。

民事訴訟の場面では、和解交渉や訴訟において必要になる、損害賠償額の算定の分析を行っています。損害額算定においては、カルテル・談合がなかった時に行われた「ナカリセバ(but for)」の状況においてどのような取引が行われたと考えられるのか、事案の事情や利用可能なデータを駆使して分析し、カルテル・談合による超過利益の金額を推定していきます。損害額の算定の場面においても、カルテル・談合の実効性の程度やカルテル・談合への(不)参加・新規参入の影響といった取引の実態についての検討も合わせて行い、損害額の算定結果と取引実態との整合性について注意深い検討を行うことが一般的です。

なお、カルテル・談合の事案では、場合によっては、合意が成立していた時期や商品・サービス範囲が問題になることもあります。当局が認定したカルテル・談合期間や商品範囲に関して、原告・被告側で見解が異なる場合があり、NERAは、実際の取引データを用いて、カルテル・談合が影響を与えていたと考えられる時期や商品・サービス範囲を特定する統計分析等を行っています。

名前 役職 開催場所 電話番号 Email
石垣 浩晶 (Dr. Hiroaki Ishigaki) マネジングディレクター
東京事務所代表
東京 +81 3 3500 3295 hiroaki.ishigaki@nera.com
タイトル 開催日 タイプ
相次ぐカルテル摘発―何で悪いのか(エコノ入門塾) 2008年11月24日 プレスリリース