化学産業に属する日系企業の経営統合における企業結合審査のサポート

概況

化学産業に属する日系企業の経営統合が計画されましたが、両当事会社が供給する多くの商品に関して統合後の市場シェアが高くなり、独占禁止法上の規制に抵触する可能性があることから、公正取引委員会による企業結合審査が難航することが予想されていました。

NERAの役割

NERAは、当該経営統合により市場シェアが特に高くなるいくつかの商品分野において、当事会社から受領したデータを基に、当該経営統合が各商品分野の消費者等の不利益をもたらし得るか(すなわち、独占禁止法上の規制に抵触し得るか)について、統計的・計量経済学的分析を実施しました。具体的には、参入企業数の増加がマージンの低下をもたらし得るかを検証する統計的分析や、親会社の統合が、親会社が持分を有する企業間の競争にもたらす効果に関する分析などを行い、当該経営統合が消費者に対して不利益をもたらさない可能性を示唆する結果を得た上で、その結果に基づき、公正取引委員会に提出する意見書を作成し、また、公正取引委員会審査官と議論を行いました。

結果

当初の予想通り第二次審査が行われたものの、過大な問題解消措置を求められることなく、統合が認められました。