セブン-イレブン・ジャパンの色彩商標の認識度調査

概況

株式会社セブン-イレブン・ジャパンは、コンビニエンスストアの看板に使用している色彩を商標登録する際に、独自に行った消費者アンケートで登録を目指していましたが、特許庁は消費者の認識度が十分に高くないことを指摘し、登録に難色を示していました。

セブン-イレブン・ジャパンは市場シェア最大のコンビニエンスストアを有しており、色彩商標は著名であるはずなのに、独自アンケートの結果が実態に見合ったものになっていませんでした。セブン-イレブン・ジャパンの商標ほど著名なものであっても、質問方法によっては消費者の認識度が低くなることは十分にあり得ます。このことは、調査対象者の選定、質問の立て方が回答結果にどれほど大きな影響を与えるかを示しています。 

商標が登録に値することを確信していたセブン-イレブン・ジャパンは、ボトルネックとなっていた消費者認識度の問題を解決するためにNERAに消費者アンケートの実施を依頼しました。

NERAの役割

NERAはアンケート調査の専門家として、独自調査の質問方法の問題点を克服すると共に、特許庁の審査基準を吟味の上、色彩商標の利用実態に即した質問を考案し、適切な対照実験を含むアンケート調査を実施し、特許庁に報告書を提出しました。

結果

大規模アンケート調査を実施したところ、著名な商標にふさわしく、高い認識度が得られ、特許庁の懸念を払拭することに成功しました。NERAの報告書が重要な決め手になり、平成29年3月1日に色彩特許としては初の登録査定が下されることとなりました。