独占禁止法と競争政策

経済理論と創造的な市場分析で、独禁法絡みの規制や訴訟、競争政策に対応。

NERAは、独占禁止 (反トラスト) 法上の規制、訴訟、及び競争政策に係わる問題に対して、経済理論 (ミクロ経済学・産業組織論・ゲーム理論) や数量的な手法 (計量経済学・統計学) に基づいた市場支配力の分析、企業戦略の効果分析、損害賠償額の算定、政策提言等を行っています。

NERAは独占禁止法上の規制や訴訟には、有力な法律事務所と提携してサポートを提供しています。経済のグローバル化に伴い増加しつつある、多国籍企業の世界規模の独占禁止法上の規制や訴訟に関しては、世界各地のNERAの専門家が、それぞれの国の独占禁止法や競争政策の実情に対応しつつ、一貫性のあるコンサルティング業務を提供しています。

企業合併規制対応

日本の独占禁止法は、合併、買収、事業統合、共同出資会社 (ジョイントベンチャー) の設立といった企業合併 (企業結合) が市場の競争を妨げると考えられる場合には、その企業合併を禁止しています。規制実態としては、公正取引委員会が企業結合ガイドライン (「企業結合審査に関する独占禁止法の運用指針 (平成16年5月31日発表、平成19年3月28日一部改正)」) に則り、企業合併を審査・規制しています。

合併審査 (企業結合審査) では、まず、企業合併が影響を及ぼしうる範囲となる「市場 (一定の取引分野)」が画定されます (市場画定) 。次に、企業合併がその市場の競争を減退させる影響を及ぼすかどうかが調査されます。市場の競争を減退させると判断された場合には、企業合併の禁止や合併計画の変更が要求されます。

同様の規制や審査は、米国 (米国法務省 DOJ: Department of Justice 及び連邦取引委員会 FTC: Federal Trade Commission)、欧州 (欧州 委員会 EC: European Commission)、韓国 (韓国公正取引委員会 KFTC: Korean Fair Trade Commission) といった日本以外の国においても、ほぼ同様に行われています。

このような企業合併への独占禁止法規制は、企業にとって事業計画上のリスクになります。企業の独占禁止法上の規制への対応が不十分であると、合併の合意に至るまでに膨大な時間や費用を費やしていながらも、最終段階になって企業合併の禁止や合併計画の大幅な変更が要求される可能性があります。合併や買収を計画する企業は、リスク管理の一環として独占禁止法規制への対応を考えることが必要です。

NERAは、このような企業合併の独占禁止法規制に対応し、規制リスクを最小化する経済分析サービスを提供しています。

NERAは、市場メカニズムや企業間競争の実態を理解した上で、上記の「市場画定」や「競争への影響」の経済分析サービスを提供します。例えば、商品の価格や取引数量のデータを用いて、合併する企業が提供している商品やサービスとの代替性 (競合関係) を推定することにより、当該合併の係わる領域 (商品範囲・地理的範囲)の競争の実態を反映した市場画定を行います。市場画定により、合併企業の市場シェアや、市場集中度 (HHI、ハーフィンダールハーシュマン指数が採用されています) の大きさが決定されるため、規制当局から狭小な市場を画定される危険を避けるためには、市場メカニズムや競争の実態を反映した経済分析は、有効な手段になります。

企業結合がもたらす「競争への影響」に関しては、近年、市場シェアや市場集中度のみに依拠した単純な規制から脱却して、経済理論的な考え方に即した規制が行われています。そこでNERAは、経済学的な分類による企業合併のタイプ (水平合併・垂直合併・混合合併) や経済理論上の競争制限のシナリオ (単独効果:unilateral effect、協調効果:coordinated effect) 等を前提として、それぞれの企業合併が係わる市場における参入や輸入の容易性、商品・サービスの代替性、競争者の供給余力、ユーザーの価格交渉力等 (考慮要因) が市場競争にどのような影響を及ぼすのかを分析します。NERAは、それらの考慮要因を経済理論的な枠組みでどのような意味があるのかを説明し、また、経済分析により数字で評価することができます。このような経済理論的な説明や経済分析による数字を用いての評価により、競争の実態を反映しない過剰規制のリスクを低下させることができます。

NERAは、このようなサービスを
■合併計画の初期段階における独占禁止法規制リスクの予備的な経済分析
■事前相談に向けた市場画定や競争への影響に関する経済分析

という形で提供しています。

カルテル

独占禁止法では、企業間の価格、数量、その他の取引条件を企業間で協調的に決定するカルテル (cartel) や談合 (bid rigging) を市場の競争を制限するとして禁止しています (不当な取引制限)。

NERAは、カルテルや談合の協定の有無、又は、その協定が有効に働いていたと考えられる期間や、カルテルによる損害額の推定といった経済分析サービスの提供を行っています。例えば、カルテルが存在していたと考えられていた期間の価格と、そうでない期間の価格を計量経済学的手法によって比較し、カルテルが存在していたと考えられるのはどの期間になるのか、存在していた場合の損害額はいくらになるのかといった分析を行います。

私的独占・不公平な取引制限・優越的な地位の濫用

価格差別 (price discrimination)、不当廉売 (predatory pricing: 略奪的価格設定)、抱き合わせ (tying)、バンドリング (bundling)、市場閉鎖 (foreclosure) といった行為が、競争者を市場から排除・支配しようとする私的独占 (monopolization) にあたると考えられる場合や、それらの行為自体が不公正である (unfair trade restriction) と判断される場合には、規制を受けることになります。

NERAは、そのような企業戦略による損害額の算定や独占禁止法に抵触する可能性の経済学的な検証を行っています。例えば、独占禁止法に違反したと嫌疑を受けている企業戦略による損害額の算定や、公表されていない費用を計量経済学的な手法を用いて推定することにより、価格の不当廉売性を検証するという分析を行っています。