国際移転価格

グループ内金融取引

NERAのエコノミストは、グローバル移転価格とファイナンスの領域にまたがる複合的な専門知識に基づく高度な分析手法を適用し、第三者からの批判に耐えうる解決策を提供、グループ内金融取引における独立企業間価格を検討する納税者を支援しています。NERAはこの分野における高いサービス提供能力を有するユニークな存在として、クライアントの移転価格リスクを管理し、付加価値を提供しています。NERAのサービスはローン、債務保証の価格設定、ストラクチャード・ファイナンス、リース、過小資本、財務サービス、プライベート・エクイティ、資産運用を含めたグループ内金融のあらゆる領域をカバーしています。

資金運用
NERAのエコノミストは投資ファンド業界における価値形成プロセスを熟知し、バリューチェーンを構成する各事業体が稼得すべき利益水準について合理的、客観的な助言を提供しています。NERAの専門家は以下のサービスを通じてクライアントを支援しています:

  • 付随サービスの提供と価値創造プロセスにおける無形資産の貢献度を考慮し、独立企業間原則に則した資産運用活動の報酬水準の評価
  • 国境を越えた一連の取引の一部を担当する資産運用事業者に支払われるネットの報酬額についての経済分析および財務分析の提供
  • 投資ファンドの移転価格制度についての分析と経済学的助言の提供とともに、国内投資運用ファンド設立時におけるファンドの移転価格方針の設計
  • 同時文書化のための移転価格文書の草案作成、あるいは草案作成の支援
  • ファイナンスと移転価格の専門家による、税務当局との議論や交渉における納税者主張の支援


債務保証
移転価格分野の中でも最も論争となっているテーマの一つはグループ内債務保証に係る価格設定といえます。NERAはグループ内ローンや債務保証に係る数多くの案件を通じて、シャドー格付けの評価、あるいは既存の格付けがある場合にはその確認について豊富な知見を蓄積しています。この領域ではNERAは以下のサービスを提供しています: 

  • 資本注入 — 関連者の信用格付を債務保証人のそれと同水準にするために必要な資本注入額を決定し、資本注入に伴う資本コストを算定
  • 期待損失 — まず名目債務保証金額に債務不履行の確率を乗じることによって債務保証の価値を算出し、さらに回収期待率を考慮した調整を実施。この調整後、債務保証に上乗せするべきプレミアム部分は、債務保証者の負担する資本やリスクに対する報酬という意味があり、その算定手法には資本資産評価モデル(CAPM)をはじめ、さまざまな手法が存在する。
  • クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)のベンチマーク — 入手可能なCDSについての市場データを参照することによって、保証料の独立企業間レンジを決定し、さらに必要に応じて経済状況、当該保証の範囲、諸条件を考慮した調整を実施。CDSについての市場データが入手不可能な場合、最新のCDS価格設定モデルを基に保証料の独立企業間価格を推定することができる。
  • 反事実債務価格設定 — 親会社からの債務保証がない場合に関連者から請求されると推定される利息や社債プレミアムを評価。また、利益分割分析を行い、利子節約額のうち手数料として債務保証人に支払われるべき割当分を決定する。

ストラクチャード・ファイナンス
ストラクチャード・ファイナンスは実質的に借り手にとっての流動性を高め、資本コストの引き下げをもたらす金融取引です。本領域においてNERAは以下のサービスについての専門知識を有しています:

  • 仕組み金融商品の金融工学に関連した移転価格問題についての助言
  • 主要財務データベースを用いた経済学的に健全なローン価格設定手法の適用
  • 最適な価格設定モデルあるいは複数モデルの組み合わせ(例:ブラック・ショールズ、Black Scholes、Cox-Rubinsteinモデル、 Garman Kohlhagen モデル)を用いた仕組み金融商品における埋め込まれたオプション(Embeded options)の価格設定
  • 既存格付の立証、あるいは明示的な信用格付けが入手不可能な場合でのシャドー格付の決定

過小資本
関連者間の出資について、一部の国ではセーフハーバーや慣行ルールが適用されているものの、大半の国々では関連者間で負債をどの程度負担すべきか、また金利水準はどの程度を維持すべきかの決定において、独立企業間原則が遵守されています。

“過小資本”問題は事前確認(APA)の申請や税務調査において調査対象となることが多く、金融危機の影響によって納税者の直面する課題はさらに複雑なものとなりつつあります。実際には、各国の税務当局は銀行が貸出を慎重化させる中で、グループ内の企業に高水準の金利負担や負債比率の低下を求めています。

この領域でのNERAのアプローチは、基本的なベンチマーク分析に加え、負債負担能力と金利支払い能力について客観的な市場テストを行うための洗練された金融モデルを使用します。このアプローチにより、クライアントは経済学的に第三者の検証にも耐えうる回答を得ることができ、実際にもこのようなアプローチの利用が税務当局から認められています。

財務サービス
カナダのGE Capital Canada vs. HMQやイギリスのDSG Retail 他  vs. HMRC等にみられる近年の訴訟事案では本社の財務機能に係る移転価格が争点となりました。

納税者は関連者間の財務取引を独立企業間原則に則して実施するだけでなく、税務当局に取引について納得性のある説明が出来るよう、プロセスを整備することが重要になります。NERAの専門家は以下の領域において、財務活動に係る支援サービスを提供しています:

  • キャッシュ・プーリング、ローン、ストラクチャード・ファイナンス、債務保証、リース、商品および通貨ヘッジ等金融取引の価格設定
  • 過小資本の疑義に対する反論やクライアントのAPA取得、事前照会制度(advance rulings), 申請状況のサポートにおける支援を含めた関連者の資本構造についての分析サービスの提供
  • さまざまな財務サービスモデル(例:社内バンキングやつなぎ融資)に対応する移転価格モデルの設計と導入に関する助言
  • 財務サービスの移転価格についてのリスク評価の実施と最善策の提案
  • 国別の規則やOECDガイドラインに則した移転価格文書の作成
  • 税務当局の調査対象となったクライアント向けの移転価格分析や文書作成の支援
  • 金融経済や移転価格の専門家による、財務当局との議論や交渉における納税者主張の支援

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タイトル 開催日 タイプ
移転価格プラクティスのエキスパート、倉本正丈氏参画のお知らせ 2023年3月31日 プレスリリース