アメリカ証券集団訴訟の最新トレンドとコーポレートガバナンス

2013年6月3日
石垣浩晶

米国の証券集団訴訟の案件数は停滞またはやや減少傾向にあるが、上場企業数はそれ以上に減少しているため、企業の訴訟リスクはむしろ高まっている。紛争解決手段は和解が主流であり、被告が負担する和解金額は長期的には増加傾向にある。一般的には、コーポレートガバナンスが弱い企業は、不正行為が生じる可能性が高く、訴訟リスクが高まる関係がある。社外取締役の増加や情報開示の強化は、訴訟リスク低下に役立つと考えられる。