商品パッケージの類似性・混同のおそれの消費者アンケート調査

概況

消費者向け商品を製造販売するA社は特定の市場セグメントで高い人気を誇る商品を有していました。同業のB社は、価格帯の異なる別の市場セグメントでは人気商品を有していましたが、A社が得意とする市場セグメントでは存在感を発揮できていませんでした。そこで同セグメントのシェア拡大を目指し、B社は新商品を投入しました。

ところがB社が投入した新商品は、A社の人気商品にパッケージデザインが酷似していたため、A社はB社にデザイン変更などを申し入れていましたが、十分な対応を引き出すことができませんでした。

B社から満足の行く対応を引き出すためには、さらに強い態度を示す必要がありましたが、そのためには、不正競争防止法での争いになった場合にA社として何ができるかを確認しておく必要がありました。

そこでA社は、B社による混同惹起行為を問うことができるかどうかを見定めるための消費者アンケート調査をNERAエコノミックコンサルティングに依頼しました。

NERAの役割

NERAはアンケート調査の専門家として調査手法に瑕疵がないようにすると共に、コンサルタントとして相手方との交渉を見越して、依頼者の主張を裏付けるための効果的なアンケート調査を設計することが求められました。

消費者による混同の程度を軸にパッケージデザインの類似性を検証するための調査を設計・実施しました。その際、C社に比べると、B社の類似の程度が著しいことが示されるような対照実験を織り込んだアンケート調査を設計しました。

結果

NERAによる調査結果を踏まえ、A社はB社との交渉に臨み、訴訟に至ることなく、B社から満足の行く対応を引き出すことに成功しました。

NERAの調査結果はB社に開示されませんでしたが、訴訟になった場合の状況をNERAの調査結果から予期することができたため、A社はどの程度の強度で交渉に臨むべきかを適切に判断することができました。A社が可能な限り強い姿勢で交渉に臨めたことが、B社から譲歩を引き出す鍵になりました。