カシオ「G-SHOCK」立体商標の認識度調査

概況

「G-SHOCK」は1983年に販売開始したカシオ計算機株式会社の代表的な腕時計ブランドです。

初代DW-5000Cから途切れることなく継承されているスクエアデザインの立体形状を、40周年を迎える2023年に商標登録することを目指し出願しておりました。

しかし腕時計の立体形状は、時計本体とバンドから構成されるという共通性があり、本願商標も商標法3条1項3号に該当するとみなされ、拒絶査定を受けてしまったため、審判で争うこととなりました。

NERAの役割

腕時計は耐久性のある消費財であり、購入の意思決定の頻度が比較的少ない商品のため、認識度調査は難航することが予想されました。また、「G-SHOCK」は本願商標とは異なる形状の商品も多数販売されているため、需要者の認識する「G-SHOCK」の形状を見極めることが重要なポイントでした。

NERAは形状のうち需要者に識別されている特徴的な部分を特定するために、対照実験を組み込んだテストを行い、その結果を踏まえたアンケート調査を実施しました。結果の報告においては、腕時計という商品の特性を踏まえ、調査結果を市場の実態や消費者行動の文脈に沿って丁寧に説明することを心掛けました。

結果

カシオによる長年の使用実績やマーケティング努力に加え、アンケート調査による識別力の裏付けも評価され、商標法3条2項の適用により、「G-SHOCK」立体形状の商標登録の審決がなされました。