カルテルに関与したことによる損害について日本企業が外国企業から損害賠償を求められた事案における日本企業のための損害賠償額の推定

概況

日本企業がカルテルに関与したことにより、当該企業の需要者である外国企業がカルテルの価格引き上げによる損害賠償を求めてきました。外国企業は経済コンサルタントによって算定された損害賠償額を根拠に過大な賠償を求めてきたため、日本企業はNERAに妥当な損害賠償額の算定を依頼しました。

NERAの役割

NERAは、相手方の経済コンサルタントが用いた統計分析モデルの前提と現実のデータが乖離していることを指摘し、その結果算定された損害賠償額が過大であることを示しました。その上で、統計分析によっても、長期契約で需要者と合意した価格フォーミュラによっても、価格上昇が原材料費用の高騰によるものであって、カルテルによる損害賠償額として妥当な金額は、相手方経済コンサルタントが示した金額より遥に小さくなることを示しました。

結果

NERAが支援した日本企業はNERAの報告書を提示して相手方と交渉したところ、当初支払を求められた金額よりは遥に小さな金額で相手方と合意しました。